腎臓内科
腎臓内科について
腎臓内科は、腎臓に関わる様々な疾患の診断・治療・予防を専門とする診療科です。腎臓は体内の水分や電解質のバランスを調整し、老廃物を尿として排出する重要な役割を担っています。この機能が損なわれると、体の他の臓器や機能にも影響が及ぶため、早期の診断と適切な治療が必要です。腎臓内科では、腎臓病の診断や治療だけでなく、患者様がよりよい生活を送れるようサポートを行います。腎臓の健康は全身の健康と密接に関わっており、腎機能の低下は心臓病や脳血管疾患のリスクを高めることもあります。当クリニックでは、腎臓の健康を守るための予防的なアプローチも重視しており、患者様一人ひとりに合った総合的な治療・サポートを提供しています。腎臓に関する悩みや不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
腎臓内科で診療する主な疾患
1.慢性腎臓病
慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)は、腎臓の機能が長期間にわたって低下し続ける病気です。今や日本人の約8人に1人が罹患するとされ、いわば国民病とも言えます。初期段階では自覚症状が少ないため、定期的な検査が重要です。進行すると腎機能が著しく低下し、最終的には透析や腎移植が必要になることもあります。腎臓内科では、生活習慣の改善や薬物療法を通じて腎機能の低下を遅らせる治療を行います。当クリニックの大高院長は、腎臓内科の中でもこの腎不全診療を専門としています。
2.急性腎障害
急性腎障害は、突然腎機能が低下する状態です。感染症や薬剤による影響、脱水、外傷などが原因で発生することがあります。急性腎障害は早急な治療が必要で、放置すると慢性腎臓病に進行するリスクがあります。当クリニックでは、一次対応としての補液療法、原因薬剤の推測と中止などの治療を迅速に行い、腎機能の回復を目指します。
3.高血圧症
高血圧症は多くの腎臓病のリスクファクターであるとともに、腎臓の障害によっても高血圧症が引き起こされることがあります。当クリニックでは、適切な降圧薬の処方や生活指導を通じて、血圧のコントロールを行い、腎臓への負担を軽減することを目指します。
4.蛋白尿・血尿
蛋白尿や血尿は腎臓の異常を示すサインです。蛋白尿は腎臓のろ過機能が損なわれ、尿中にタンパク質が漏れ出ている状態を指し、血尿は尿中に血液が混じっている状態です。これらの症状は腎炎やネフローゼ症候群、慢性腎臓病の兆候である可能性があります。腎臓内科では原因を明らかにし、適切な治療を行います。
5.腎炎・ネフローゼ症候群
腎炎やネフローゼ症候群は、腎臓の炎症や障害により、蛋白尿や浮腫などの症状を引き起こします。腎炎には急性と慢性があり、それぞれ異なる原因と治療方法が存在します。ネフローゼ症候群は重症化することが多いため、早期の治療が重要です。当科では、免疫抑制療法や生活習慣の改善を通じて症状の改善を図ります。
腎臓病の予防と治療
腎臓病は生活習慣やほかの疾患と密接に関連しています。特に糖尿病や高血圧は、腎臓病を引き起こす主な原因とされています。そのため、腎臓病の予防には、食事や運動の改善、適切な薬物療法がとても重要です。当クリニックでは、患者さまに合った生活習慣指導を行い、腎臓の健康を守るサポートを行っています。また、定期的な血液検査や尿検査を通じて腎機能の状態を確認し、病気の早期発見と早期治療に努めています。
腎代替療法(血液透析・腹膜透析・腎移植)
腎機能が極度に低下した場合、投薬治療や手術で自己腎機能そのものを回復させることは、現代の医療をもってしても叶いません。このため、末期腎不全の状態においては、ご自身の腎臓の働きの代わりとなる治療が必要となり、これらをまとめて腎代替療法と呼びます。腎代替療法には代表的な治療法である血液透析、ご自宅で患者様ご自身によって実施する腹膜透析、手術としての腎移植が含まれます。いずれも入院が可能な専門医療機関(主に病院)で開始または実施し、状態が安定したら近くの医療機関(病院またはクリニックなど)へ通院することになります。当クリニックでは、腎代替療法の導入前の投薬管理(保存期治療)、ならびに血液透析や腹膜透析実施中の一次救急対応、さらに腎移植後の安定期における投薬管理などに対応しております。
腎臓内科での診療の流れ
- 初診(問診、身体診察、血液検査、尿検査、腎エコーなど)
患者様の症状や生活習慣、家族歴などについて詳しくお伺いし、腎臓に関連するリスクを評価します。初診では血液検査や尿検査を実施することが多く、場合によっては超音波検査を行うこともあります。 - 暫定診断と治療計画
病歴や検査結果をもとに腎臓病の原因を推測し、最適な治療方針をご提案します。腎炎やネフローゼ症候群が想定される場合、高次医療機関において腎生検などの専門的検査をご提案する場合もあります。慢性経過の場合は長期的な管理が必要になるため、月1回ほどの定期的な通院や私生活での自己管理についても指導します。 - フォローアップ
症状や検査所見などから定期的に治療の効果を確認し、必要に応じて治療方法の見直しを行います。腎臓病は進行性かつ症状の出にくい病気であるため、早期発見・早期治療が大切です。定期的なフォローアップを通じて、腎機能の悪化を防ぎます。
腎臓内科への受診をおすすめする方
以下の症状や病歴がある方は、腎臓内科での受診をおすすめします。
- 糖尿病、高血圧などの持病がある方
- 蛋白尿や血尿が検出された方
- 全身のむくみや疲れやすさを感じる方
- 家族に腎臓病の既往歴がある方
- 腎機能検査で異常が指摘された方